同一労働同一賃金でわからないことを聞く場合

同一労働同一賃金の内容は、ガイドラインを見れば基本的なことは書かれています。
しかし、中にはどうしても理解できないことが書かれているかもしれません。
そんなときは、ガイドラインに頼るだけでなく、詳しい人に相談して解決しましょう。
ネットで調べるよりも、より詳しい話を聞くことができます。

基本は相談窓口

同一労働同一賃金でわからないことがあれば、基本的には厚生労働省が用意した相談窓口に連絡するのがベターです。
同一労働同一賃金施行に備え、厚生労働省は働き方改革推進支援センターを全国に展開し、不明点の相談やアドバイスを行ないやすくしています。

窓口の住所は厚生労働省ホームページに掲載されているので、チェックしましょう。
また、電話やメールでの相談も可能なので、窓口が遠い、あるいは開設時間に赴くのが難しいという場合は、電話もしくはメールを使って相談できます。

他にも、電話やメールで訪問依頼をして、会社で同一労働同一賃金の相談を依頼するということも可能です。

また、働き方改革推進支援センターはセミナーも開催しているので、そのセミナーに参加して、同一労働同一賃金について学ぶのも有効です。

顧問弁護士に相談

もし、自社で顧問弁護士を雇っているのなら、厚生労働省の窓口に行くのではなく、直接顧問弁護士と相談するのもおすすめです。
会社の内情を知っている顧問弁護士であれば、同一労働同一賃金について、会社に沿った的確なアドバイスをしてくれるかもしれません。

また、顧問弁護士の紹介で、更に詳しい人や同一労働同一賃金のコンサルティング会社を紹介してもらえるかもしれません。

同一労働同一賃金はどこから見直せば良い?

同一労働同一賃金施行前に問題点を見つけ出すには、現状の把握が大事です。
ここでは、同一労働同一賃金対策のための方法をお話しましょう。

現状把握のためのプロセス

まず、把握すべきことは現在の従業員数です。
次に正社員と非正規雇用者の割合を調べ、正確な人数を把握します。

非正規雇用者がいる場合、業務内容を調べましょう。
業務内容が正社員と同じものになっていないかどうかを調べ、問題がないか否かをチェックしましょう。
このとき、直接従業員から話を聞く他にも文書でまとめておくと、情報を把握しやすくなります。
この時点できちんと労働内容が区別されているのであれば、次は待遇や報酬内容をチェックしてください。

同一労働同一賃金では、給料以外に待遇も同一である必要があり、理不尽な待遇をしている場合は問題となります。
アルバイトや契約社員の待遇で正社員との違いを探し、その違いがきちんと合理的な理由に基づいているものかどうかをチェックしましょう。

この時点で全てが問題なければ、同一労働同一賃金において会社がすべきことは殆どありません。

問題があった場合

もし、待遇内容に同一労働同一賃金に抵触する恐れがあると思しきものがあるのなら、一度精査しましょう。
なぜこういった問題が発生したのか、いつ頃からこういった問題が発生したのかを調べ上げ、とことん追求します。

問題の原因が判明した後は、その解決に向けて行動する必要があります。
具体的な対策としては、給料のアップや待遇の改善ですが、それと同じく有識者に相談し、どういった問題があるのかをチェックして貰う必要があります。

同一労働同一賃金を見直すことで得られるメリットについて

同一労働同一賃金は、主にアルバイトなどの非正規雇用者や、年齢、性別などで不当な待遇を受けている人のための法律です。
しかし、非正規雇用者だけではなく、正社員や経営者にとっても得られるメリットは十分にあります。
ここでは、正社員及び経営者が得られるメリットについてお話しましょう。

正社員が得られるメリット

正社員が得られるメリットとしては、給料がアップするチャンスが増えるということです。
同一労働同一賃金は、当然ながら正社員にも適用されます。
そのため、業務内容によってはより良い待遇になる可能性もあり、給料アップの可能性が見込めます。

また、非正規雇用者の給料が上がることでモチベーションがアップし、その影響で仕事の効率が上がる可能性もあるのです。

経営者が得られるメリット

経営者が得られるメリットとしては、従業員のモチベーションアップによる業績向上の可能性のほか、同一労働同一賃金の見直しで、企業の人事制度が誤っていないかどうかを確認できるという点が挙げられます。

人事制度の内、同一労働同一賃金は報酬制度(従業員に支払う給料や待遇に関係する制度)や等級制度(役職などを決める制度)、評価制度(従業員の評価の指標を決める制度)の三つに関わるものであり、企業の成長とともに修正が必要になります。
そんな人事制度は気づかぬうちに機能しなくなっているということもあり、いつの間にか社員のモチベーション悪化に関わっているものです。

しかし、同一労働同一賃金施行に伴い人事制度のチェックをすることで、会社の現状を把握し、早めに対策が打てるようになります。

同一労働同一賃金を手間と考えるのではなく、企業の現状を把握し、更に良いものへと変える絶好の機会だと捉えましょう。